三月の「あっ」 その3
3月28日(呪われてた日)
常任理事会当日。
討議・審議で計5本の議案を4月理事会用に準備しなくてはいけない。
うち、2本は無事昨日までに到達。
あと3本も進捗は確認済で、常任前には私の手元に来ることになっている。
まずはお昼の段階で、山内君と打ち合わせ。
そして内容のチェックが終わったところで。
「和山さん、USB持ってます?」
「あっ。ごめん、事務所のPCに刺しっ放しだわ」
「…俺のも今、行方不明なんですよね」
「確かCD-Rのブランクメディアが何枚かあったと思うけど」
しかし。
「…無いっす…」
「ほんじゃ、前に書き込んだRWの空きに書き込もう」
だがしかし。
「他のPCじゃ見えないっす…」
「うん、とりあえず俺、持ち帰ってみるわ。OSもメーカーも違うPCが何台かあ
るから、それを全部通して、見られるドライブが無いか見てみる」
「はい」
という訳で、タイムアップにより作業中途で解散。
あっ。
冷静に考えて見れば、ローソンでブランクメディア買ってくりゃ良かったじゃんか…。
挙句の果てにやはり個人所有のPCでも会社のPCでも肝心の事業計画書は見えず、この議案については追加資料の形で配布する事にする。
そして今度は夕方。
『すいません、和山さん』
「おう、真也か」
『今、3月例会の決算送りますんで』
「おーう」
という訳で、メールチェック。
…あれ?
「しんやー(頭痛)」
『あはははは! すんません! 添付すんの忘れてました!(笑顔)』
…よ、良くある良くある。
でもって、常任理事会本番。
私の次にルームに来た山舘理事長には、USBで資料を渡す。そこから次第にメンバーも集まり始め、来た順にUSBで資料を配布。
するはずだったのだが。
「あれ? USB、何処行きましたっけ?」
「え?」
「ウソ!? 俺見てないよ!?」
「うん、俺も」
「え? 山舘さんは見ましたよね?」
「うん、その後和山くんに返したけど」
……。
皆の注目が、私に集まる。
まさか、と思いつつ財布を取り出し、冷や汗をかきながら、いつもUSBを収納している小銭入れを開ける。
結果。
「すいません、俺でした」
「さとる―っ!!」
という訳で、変なつっかかりこそあったものの、議案チェックは順調に進行。そして、幸い5月例会のチェックに入る前に、山内君が登場。
「和山さん、USB下さい」
「ほいよ」
そして今度こそ間違いなくファイル書き込み。
読めることも確認。
「はい、OK!」
「お疲れさまでしたー」
こうして山内くん退場。そして議事再開。
そして、まず最初の議案のチェックが終了したところで。
「それでは、皆さんに5月例会の資料を配布しますのでご確認ください」
…って、あれ?
「あれ? USB、何処行きましたっけ?」
「え?」
「ウソ!? 俺見てないよ!?」
「うん、俺も」
「(無言で首を振る)」
「(隣の人のPCで資料を見てるので無反応)」
「和山くん、今度は俺も見てないよ?」
……。
皆の注目が、必要以上に私に集まる。
まさか、と思いつつ財布を取り出し、変な汗を吹き出しながら、いつもUSBを収納している小銭入れを開ける。
結果。
「すいません、また俺でした」
「アホ――!!」